シュールの効用

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128 稀有書4 1937年オリンピック・ベルリン大会

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第11回ベルリン大会組織委員会発行「オリンピックベルリン大会公式報告」
ウィルヘルム・リンパート出版社1937

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公式オリンピック・ポスター

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オリンピックの聖火台

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街の端に近いオリンピック・スタジアム

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プレススタンドのライティングデスク

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日本人選手の入場行進

 1936年ベルリンオリンピックは、1936年8月1日から8月16日にかけてドイツのベルリンで行われた。この大会で、古代オリンピックの発祥地ギリシャのオリンピアで聖火を採火し、松明で開会式のオリンピア・シュタディオンまで運ぶ「聖火リレー」が初めて実施された。
 本書は、オリンピックの翌年に発行された646ページの詳細な記録である。内容はオリンピック委員会役員の紹介から始まり、ゲーム開催に至る迄の詳細な説明。施設紹介、各国の参加者の紹介、そして実際の競技とその結果報告などが、構図の確かな写真を添えて紹介されている。
 この大会は、ヒトラーが正式にナチスドイツの総統となって2年目の行事のため、収録されている多くの写真には鍵十字の旗や軍服などが目につく。この大会の9年後の1945年にはベルリンは廃墟となる。

「スポーツと騎士道の競争は、最高の人間の資質を目覚めさせる。それは分断ではなく、逆に相互理解と相互尊重においてお互いを結びつける。それはまた、国家間の平和の絆を強化するのに役立つ。願わくば、オリンピック聖火が消えることがないように」アドルフ・ヒトラー(本書 6頁)