シュールの効用

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224 稀有書 100 シヴァ神の顕現

 生きている神であるシヴァは、すべてのカテゴリーを超越している。最も古い神聖なインドの経典である「リグ・ヴェーダ」(1200 B.C.)は、彼を野生の神、ルドラと呼んでいる。
 現代のヒンドゥー教では、最も影響力を持つ3柱(ブラフマー=創造、ヴィシュヌ=維持、シヴァ=破戒)の主神の中の1人であり、特にシヴァ派では最高神に位置付けられている。
 本書は、シヴァ神の彫刻、処理画像と祭壇画、そして絵画から構成されており、以下の絵はその中にある3点である。

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●半身が女性である主シヴァ(アルダナーリーシュヴァラ)

 男性(シヴァ)と女性の半身(パールヴァティー)による完全な全体性がここに示されている。

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●5頭のサダーシヴァを崇拝する女神パールヴァティー

 黄金色の蓮の花にヨガのポーズで座るサダーシヴァは、愛らしさの縮図であるパールヴァティーに崇拝されている。 彼の9本の手には悪を調伏する道具が握られている。

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●祝福された女神カーリー(バドラカリ)

  シヴァの妻の一柱である闇の女神バドラカリは、黒い地面に浮かぶ金色の光のなかに包まれている。血と殺戮を好む戦いの女神として、冠をかぶり、蓮の花を飾り蛇をあやつる女神として、横たわる裸の男の死体の上に立っている。踏みつけられている死体の髪で、死者の幽霊であるプレタ(餓鬼)と区別される。
 資料 MANIFESTATIONS OF SHIVA by STELLA KRAMRISCH PHILADELPHIA MUSEUM OF ART 1981