シュールの効用

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(54)地獄図の祈祷書

図は「ヨハネの黙示録」にある、神と悪魔の戦いを描いたもの。

獣は聖なるものすべてを冒涜し、聖人に戦争を仕掛け、人類を堕落させると、最初の獣と同じくらい強力な2番目の獣が地球から現れる。

この獣は、「子羊のような」2つの角を持ち、「偽預言者」の確かなしるしをもつため、大衆のあいだにこの獣への崇拝心を引き起こす。この2番目の獣は、彼の数字「666」でも知られている。この数字は邪悪な道に堕ちたすべての人々の、右手または額にも刻まれ、彼らサタンの弟子たちは騒乱を引き起こす。

次に、「黙示録」は、これら悪魔的な生き物を崇拝させる役割をなした人々に対する、神の復讐を説明する。そのとき幻視者は「汚れた霊たち」が竜と2匹の獣の口のなかから出てくるのを見、その後、ハルマゲドンの最後の戦いが続き、その間に2匹の獣が捕えられ、生きたまま火と硫黄の湖に投げ込まれる。それから神は鍵を持った天使を底なしの穴に送り、「悪魔と悪魔である竜を掴み、千年の間束縛する」。当然のことながら、人生で罪を犯した者たちもまた、この同じ場所である地獄に投げ込まれる。

(出典 Martin Arnold著 Dragon Fear and Power 2018 )

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リンブルグ兄弟による 「地獄図の祈祷書」1412–16年