シュールの効用

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(53) ヨハネの首

西暦29年、へロデ王は自分の誕生日の祝いに、高官や将校やガリラヤの人たちを招いて宴会を催した。真夜中に近くに、へロデの娘が入ってきてダンスを舞い、王(へロデ)は、娘に『ほしいものはなんでも言いなさい』と言った。そこでサロメは「バプテスマのヨハネの首を盆にのせて、それをほしゅうございます』と言った。王は困ったが、衛兵をつかわし、ヨハネの首を持って来るように命じた。衛兵は出て行き、獄中でヨハネの首を切り、盆にのせて持ってきて少女に与え、少女はそれを母にわたした。ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、その死体を引き取り、墓に納めた。

 その後のサロメは、最初従兄で異母兄でもある、イツリヤの領主へロデ・ピリポと結婚し、のちにチャルシスの王アリストプルスの妻となった。今日「アリストプルス王サロメ女王」と記された、2人の肖像のある当時の小貨幣が現存する。(出典 庄司浅水「世界の奇談」1958)

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(ヘロデ王の祝宴 ルーカス・クラナッハ画1531年)