シュールの効用

シュールの可能性を追求するブログ

(40) 富士山のシュール

富士山は日本を象徴する山として世界でも知られている。しかしかっては、その姿は想像の域を出なかった。以下の図はその想像と実像の違いを示したものである。イギリスの旅行家イザベラ・バード(1831-1904)は、ジョン・キャンベルの『私の周遊記』(My Circular Notes1876)を読み、日本旅行を思い立った。イザベラは、1878年(明治11年)6月から東京から北海道。10月から阪神地方を訪ねた。これを1880年に『日本奥地紀行』 2巻にまとめた。キャンベルの本には富士の図はないが、江戸や横浜の人々を描いている。以下の図はそれぞれの富士の姿である。

f:id:danbuer:20200822081617j:plain

C・マックファーレン「日本」1852

f:id:danbuer:20200822081655j:plain

イザベラ・バード『日本奥地紀行』1882版

f:id:danbuer:20200822081738j:plain

図3イザベラ・バード同書の富士山