115 ドレとゴッホの囚人図
ゴッホ(1853-1890)の「刑務所の中庭 囚人の運動」は、フランスの画家ギュスターヴ・ドレ(1832-1883) の作品「ロンドン」(1876)のなかの一つ「ニューゲート監獄 運動」を、ほぼ忠実に描いたもの。これはゴッホが南仏サン・レミのカトリック精神病院に入院していた頃に制作された。
作品では刑務所のレンガで覆われた中庭で、33人の囚人が1列になって右回りに円を描いてゆっくりに歩いている。彼らはいずれも帽子をかぶっており、その中で手前を歩いている金髪の男だけが帽子をかぶっていないのが作品に変化をもたらしている。壁の上方では2匹の蝶が 舞っているが、これもドレの絵の中に描かれている。