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107 中国の宗教人口は?

 日本の宗教信者数は令和元年12月末現在で、神道系が8,900万人、仏教系が8,500万人、キリスト系が200万人、諸教が740万人、計1億8,300万人となり、日本の人口1億2,500万人(宗教統計調査 令和2年12月現在)と総人口を超えて登録されている。従ってこの数字は、日本の宗教制度は必ずしも登録制でないことを示している。さて中国の宗教人口であるが、中国版の「ウィキペディア」と日本語版「ウィキペディア」とを比較してみた。ここにも宗教調査の難しさが露呈している。
●中国版ウィキペディアにみる「中国の宗教人口」
一般的な統計によると、中国本土ではほとんどの中国人は、中国の民俗信仰に従い、無宗教か無神論=73.56%、仏教=15.87%、道教=7.6%、キリスト教(カトリック、東方正教会、プロテスタントなどを含む)=2.53%、 イスラム教=0.45%。
 2018年に中国当局が発表したデータによると、キリスト教徒は4,400万人以上(プロテスタント=3,800万人以上、カトリック教徒=約600万人)、イスラム教を信じる10の少数民族の総人口は2,000万人以上。
仏教や道教は入信手続きが厳しくないため、数が多すぎるが正確に数えるのは難しい。承認された宗教施設14万4,000カ所、宗教スタッフ38万人以上、宗教団体約5,500、宗教学校 91カ所。 中国は、宗教を教育から分離する原則を実施。国家教育では、宗教教育は学生に提供されていない。 (中国版wikipedia 2015)

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中国の宗教組織別地図(「毎日頭条」2018.1.14より)

●日本語版ウィキペディアにみる「中国の宗教人口」
 研究者の間では「仏教や道教、地方の民俗宗教的慣習の間に明確な境界線が存在しない」との指摘がある。ピュー研究所(米国 2012年12月)による調査によると、国民の22%が民俗宗教に帰依しており、18%が仏教徒という。しかしながら、多くの中国国民が自分自身を民俗宗教と仏教との双方の信者だと考えているのを見ると、重なり合う部分もある点に注意されたい。
 2010年に行われたパデュー大学調査では、何らかの形で民俗宗教や道教に帰依している=10数億人、祖先崇拝=7億5400万人 (56.2%) 、神の存在を信じる=2億1500万人 (16%) 、民俗宗教と区別が付かない程度にまで道教を取り入れている=1億7300万人 (13%) という。
同調査では仏教徒=1億8500万人 (13.8%) 、キリスト教徒=3300万人 (2.4%) 、イスラム教徒=2300万人 (1.7%) とされる。(日本語ウィキペディア 2020年9月15日)