シュールの効用

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(48)謎めいた作品

ヤン・ファン・ケッセル長老(1626ー1679)は、花の画家としてアントワープのギルドに入会した。彼は植物や昆虫、そして動物などを、図鑑のように細部まで丁寧に描く画家で、その作品はヨーロッパ全体で人気があり、豊かな生活を送った。しかし1678年に妻が亡くなると財政状況が悪化し、翌年53歳で亡くなった。

下の絵は4大陸シリーズ物のなかの「アジア大陸」で、都市を中央にしてそのまわりに16枚の動物や魚類の絵を取り巻いて構成されている。しかしその構図はグロテスクであるのが興味深い。アジア大陸といっても中央の都市はエルサレム、取り巻く絵もエジプトのピラミッドがあるので、理解不能(今後調べてみたい)。作品はミュンヘンにあるドイツの国立美術館アルテ・ピナコテークにある。

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ファン・ケッセル「アジア大陸」上はエルサレム、

下はそれを取り囲む16枚の一つの「ピラミッド」