(37) ロシア遠征図のシュール
日本人は1853年にペリー提督に会う前から、ナポレオン(1769-1821)のことを知っており、それを絵にしたのがこれである。作者は未詳であるが、ナポレオンを描いた場面は、ロシア遠征の他、ジョゼフィーヌとの結婚の場面、セントヘレナ島に幽閉されている場面、そして彼の死後19年目のパリでの葬列(1840)などがある。
1905年にイギリスで出版されたダグラス・スレイデンの『続・日本の奇妙な事物』に、これらの絵が紹介された。日本での書名はわからないが、その個所を英訳したのは作者の友人で、英国で活躍した日本人画家牧野良雄 (1869-1956) である。