シュールの効用

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(25) 草上の昼食のシュール化

『草上の昼食』は、1863年にエドゥアール・マネ(1832-83)によって描かれた。
この絵は1863年のサロン(官展)に出品したが落選。これまで神話のなかの女神が裸で描かれるのは普通であるが、公の場所での女性の裸体を描いた題材がスキャンダルとなった。
モネ(1840 - 1926)やセザンヌ(1839 - 1906)も、マネの主題にヒントを得て『草上の昼食』を描いた。およそ100年後にピカソ(1881- 1973)は、自分でも『草上の昼食』を描いた。ピカソの絵は、モネと同じく2人の女性(一人が裸体)と2人の男性(着衣)がいる。ただしピカソの場合、人物がデフォルメされており、その結果女性の現実感が乏しくなったことは否めない。しかし芸術的価値についてはまた話は別である。

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                     モネ「草上の昼食」(1863年)

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ピカソ「マネ後の草上の昼食」(1961年)

 Ingo Walther,Pablo Picasso, 1881-1973(2001)より。