シュールの効用

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(17) ノーズアートのシュール

戦時中での、アメリカの軍用機の生産数は驚く程多い。第2次大戦では爆撃機のボーイングB−17は1万2000機も作られ、乗組員は飛行場に並んだ同一機種から自分の乗る機体を見分けるのがむずかしい。
普通、尾翼の機体ナンバーで見分けているのだが、誰かが機首に恋人やポスターの美女の姿を描くことを思いついた。この「ノーズアート」(機首アート)で用いられる絵の中でも特に多いのが、この頃のピンアップ・アーチストの第一人者バーガスの描く女性をまねたもの。
ノーズアートが使われたのは、第2次大戦と朝鮮戦争の時。しかし戦後は規制されたが、ヴェトナム戦争で再び見られるようなる。しかしその後再び消えた。これが本当に命を賭けた芸術である。
資料 ゲリーバラント「ヴィンテージ機のノーズアート」(2001)

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ボーイングB-17機のノーズアート

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B-24リベレーター機のノーズアート