シュールの効用

シュールの可能性を追求するブログ

(13)秘密結社のシュール性

秘密結社が組織の秘密を重んじる理由は、組織の仕事が阻害されるのを防ぐためで、彼らは目的のために、世間の常識を超えた行為を行う必要があるからである。
彼らの秘密性が大衆の興味をますますかきたて、通俗読み物のテーマの一つとなっている。彼らの行為は写真で撮る事は難しい。そのため、勢いイラストとなる。
シュールの作家の作品では、マックス・エルンストの『慈善週間または七大元素』(邦訳河出文庫)にそうしたテーマを扱っている。そのなかでは、人間の衣装をつけた獣たちが謎めいた行為を繰り返し、その不気味な活動から何やら秘密組織が背後にいるような錯覚を覚える。
以下の3枚の絵は、「10人委員会」と 「ウォールストリートの謎を探る」、「石造りの地下室の秘密」の表題をもつニューヨークの出版社の週刊誌の表紙画から取った。

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「10人委員会」(1906年10月5日号)

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「ウォールストリートの謎を探る」(1906年5月18日号)

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「石造りの地下室の秘密(1906年11月号)