シュールの効用

シュールの可能性を追求するブログ

(12)火事のシュール

私は、シュール・レアリスムの作品で火事をテーマにした作品を知らない。精々ダリの「燃えるキリン」(1937)くらいだ。
ダリのキリンについて、彼は「男性的な、宇宙の終末論的モンスター」と無意味なことを語っている。
しかし大衆向け雑誌では、犯罪や火事などの事件を題材にする話題に事欠かない。したがって、そうした雑誌の表紙に、写真では撮れない再現シーンがイラストで表現されるコトニナル。
ここに上げた3枚のイラストは、1900年代初期のアメリカのパルプマガジン「週刊ワイド・アウェイク」の表紙を飾った火事の場面である。いずれの場面も非現実的である点に注目。

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「ホテル火災との戦い」(1908年)

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「少年消防士、またはマシンのそばに」(1919年)

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「恋人の救助」(1908年)